今の会社組織(オレンジ組織)に居心地の悪さや違和感を感じる人へ

組織や社会に対して何らかの違和感や居心地の悪さを感じているあなたへ。ひょっとしたら、あなたはオレンジの価値観を超えて、ティールの価値観に達しているのかもしれません。ティールの価値観は欧米圏で5%、日本ではそれ以下と思うので、このブログを読んでるあなたは貴重な存在です。

こんなことを感じたことはありませんか?

■会社の評価制度に大きな欠陥がある

成果だけで評価された「人間的に問題のある人材」がどれだけ周囲に害をなしているのか、なぜ会社は分からないのか?分かった時点ですぐ排除しないのか?倫理感や感情で言っているのではなく、協働する体制の邪魔になり、全体の作業効率が下がるから。1人で仕事をする能力は優れていても、職場を荒んだ雰囲気にすることは大した問題ではないのか?その人間の長所を活かし、短所は周囲が理解しフォローするのが大人の振舞なのか?

■事なかれ主義で裏表のある人間関係に嫌気がさす

リーダーや一部の社員は「風通しの良い職場だ」、「なんでも話し合える雰囲気だ」と言っているが、それは周囲が忖度して調子を合わせているだけ。本音は言えず、上司に従い、目下にはそのしわ寄せもあって厳しく当たる。

■細かな気遣い、心遣いがなくなった

社内外問わず、ビジネスとして相手から要求された納入物の品質や納期をしっかり守っていれば良いと考え、それ以外以上の気遣い、心遣いが無くなった。普段から他人の気持ちに無頓着なので、細かな会話のニュアンス、行間を読むことができない。相手の感情を読み、心情を思い計れない。

■仮面を被らないと出世できないのか?

どうして出世する人は裏表の差が激しい人が多いのか?そうしないと出世できないのか?(まれに人間的にも優れた方がいますが)仕事が出来る人は、人の気持ちを察して気遣うことや機転を利かしてうまく対応することも出来るのに、なぜ目下の人間にはぞんざいな対応をして平気なのか?せめて普通に人として接するべきでは?日々の出世競争に疲れ、周囲の裏切りを恐れ自己防衛の感情が裏にあるのか?目先の緊急仕事に没頭して忙しいアピールをする人がいるが、そんな人間になりたくない。

■働く日々に喜びと幸せを感じたい

職場で働く日々の活動に喜びと幸せを求めることは、青臭い夢物語なのでしょうか?仕事とは辛いものなのでしょうか?なぜ、職場で過ごす時間を大切にしない。楽しく過ごすには問題がありすぎて、諦めているのでしょうか?人間関係か?会社の組織風土か?

オレンジ組織の世の中は終わり、ティール組織に入れ替わる

今の世の中のほとんどの会社はオレンジ組織の価値観で動いていて、そこで働く人々は疲弊しています。未だ日本は過去の成功体験から新しい価値観を受け入れることが出来ずにいるからです。

過去に日本が繁栄したのは数々のプラス要素が偶然に重なったからです。段階の世代を中心とした人口ピラミッドが理想的な分布を示し、プロダクトアウトの製品開発に向いた組織体制を作れたのです。そして、日本の組織の特徴であるハイコンテクスト文化(=空気を読む文化)が働き、黙々と作業を行い日本を世界有数の工業国に押し上げたのです。

様々な偶然が重なった末の繁栄なので、未来への対応も後手に回り、十分な対応が出来ず、パッチ処理気味です。職場環境を整えず非正規雇用者を増やしても地力は落ちるばかりです。一旦古い価値観の会社は廃れ、新しい価値観の会社に入れ替わるまで待つしかないのかもしれません。

今のオレンジ組織から、グリーン組織やティール組織に入れ替わるまで20年かからないと言われていています。その速度は年々加速しているようですし、部分的にティール組織の価値観を取り入れる(自主経営、全体性、存在目的の3つの突破口のどれか)ことで今よりはどんどん改善されていきます。

今では考えられないことですが、30年前は食堂や電車内でタバコを吸っていたのです。ティール組織の慣行が当たり前になる日も近いでしょう。

相互コミュニケーション力が要求される

ティール組織は、上司がいないし、経理部門の承認プロセスもなく、全員が承認権限を持っているので、好き勝手できる組織だと思っていませんか?

それは大きな誤解です。決済前には助言プロセスという周囲のメンバーに相談するプロセスがあり、勝手に一人で話を進めることはできません。

また、上司がいませんが、周りの同僚たちが評価者なので、複数の上司がいるようなものです。オレンジ組織の場合、嫌な上司に当たると最悪ですが良い上司の場合、あれこれ指導してくれたり面倒見てくれたりするかもしれません。

ティール組織の場合は、自分で仕事を探し、自分で必要なら研修を受けたり、適切な人にアドバイスを求めていかなければなりません。

すべて主体的に動かないといけないのです。自由ということは自己責任がついて回り、受身でなくすべて自発的に動かないといけないのです。

下記にティール組織に合う合わないを書いてみました。

オレンジ組織はダメだが、ティール組織に向く人

  • 独創性がありすぎたり、実力が高すぎて、最初は周囲に理解されにくい人
  • 数値に表れにくい勘で動き、成果を出す人
  • 人とのコミュニケーションを大切にし周囲と協力できるが、正義感や独立心が強くいい加減な上司との対応で疲れる人や良さを伸ばせない人
  • 自己完結型の仕事も出来るが、関係する周囲と連携する方がさらに効率が良いことを分かっている人
  • 周囲より視点が高く、現状の組織の欠点が視えすぎ、職場への興味を無くしている人
  • 出世競争が馬鹿らしく、シェアーや売り上げ向上でなくもっと大きな目標を持っている人
  • 上司や経営幹部との利害が絡む人間関係を重視する環境に全く興味がない人

ティール組織に向かない人

  • 成果が出ればいいだろうと自己完結型の仕事をする人
  • 仕事が出来ればいいだろうとルールやモラルを軽視する人
  • 周囲の人達から好かれない人(今までは1人の上司の機嫌を取れば良かったが、ティール組織では周囲のすべての人が評価者となる)
  • 自分で仕事のニーズを探して積極的に動けない人
  • 互いを尊重した上で、自分の考えをはっきり言えない人
  • 一部の人間関係(自分と価値観の合う相手、利害が一致する相手)を重視して仕事を行う人

オレンジ、ティール 共通の向かない人

  • 無能な人(やる気のない人、手の施しようのない人)→オレンジ組織の方がどこかに居場所があるかも?、ティール組織は全く居場所なし
  • 人の目を盗んでやってはいけないことをする人
  • 協調性のない人(仕事さえ出来ればオレンジ組織では普通に出世も出来ます)

ティール組織は日本人に向かないのか?

ティール組織は責任を上司に押し付けることは出来ません。自分が承認権限を持っているので好きなことが出来る代わりに全責任を取らないといけません。日本の組織の特徴であるハイコンテクスト文化(=空気を読む文化)が悪い方に作用した組織環境(自分の意見をはっきり言わず、事なかれ主義で上司の指示に従う)に慣れた人には向かないかもしれません。

でも、空気を読んで自分の意見をはっきり言わないことと、相手を気遣うことは大きく違います。

ティール組織では、入社前の研修で、相互コミュニケーションの方法をしっかり学びます。そして、社内のコミュニケーション方法も、しっかりとしたルールが決められていて、紛争時に互いの人間性を尊重しながら互いの主張を聴き、協働の可能性を話し合います。

今の日本のでは、仕事上の行動におけるマナーやルールが明確に決められてない組織が多く、そこに関しては「ハイコンテクスト文化」たる所以なのかもしれません。ただそういった「行動の基準」が曖昧な組織では、たとえ悪気がなくても声の大きな人が仕切り大人しい人が従う風土になってしまいます。

昔はそんな組織でも、周囲とのやりとりで失敗をしながらでも何となく仕事を覚えていくことができました。世の中の変化が早くなり、リストラで最低限の人員で効率化を追求するようになった現在、仕事で感じた細かな疑問やヒラメキ、アイデアは生かされず、誰にも共有されずに消えていきます。

つまり、そもそも今の日本の組織が機能しなくなったのは、互いの考えを共有できなくなったことが原因であり、ハイコンテクストの文化がさらにその問題をベールに包んで分かりにくくしているのです。

この状態から抜け出すには、一旦ティール組織のように上下関係をぶち壊し(自主組織)、ローコンテクスト文化の組織を学び、そこからさらに、みんなで相談しながら必要ならば「日本本来のハイコンテクスト文化」を作り直せばいいのではないでしょうか?

私が以前変革プロジェクトを行ったとき、反対派役員が「私が社員を洗脳する」と言っていたそうです。確かに以前から疑問を感じていた人がティールの価値観を知ると、筋の通った理屈に感銘し、急に目の前が開けたようになります。もう以前のオレンジの世界には戻れないのです。今までグレーだった部分が明確に分かります。役員の方はティールの価値観には達していなくて理解できなかったのです。推進しようとするCEOがいて、理解できる/黙認してくれる役員達ならば必ず成功します。

まとめ

ティール組織の価値観に至るか否かは、社会経験でもIQにも関係ないそうです。自分自身に聞いてみて、本当にティールの考え方が当たり前であり、オレンジ組織が間違っている、合理的でない、と感じられるかを自問してください。じっくり考えてみえば、それこそが当たり前のこと、最も自然で合理的なことに感じられるはずです。

相手を気遣いながら自分の考えを伝え、相手の言い分をしっかり聴く、相手の立場になって考える。そういったことは、ローコンテクスト/ハイコンテクストとは別のことであり、世界共通のコミュニケーション方法だと思います。

そして、日本人は社会や会社組織において、目下の人に対してのコミュニケーション方法に大きな勘違いがあります。勝手に相手より上と判断したら上から目線で話す。相手が上と判断すればへりくだる。そんな島国的コミュニケーションは日本固有のもので、直らないのでしょうか?Z世代に入れ替われば改善されるのか。

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