プロミネンスでは、社員自らが考え
行動する組織作りを支援します。
ワクワク心地良くなる心の状態)にすることで
社員1人ひとりの力が集約し
ドライブのかかった活気ある雰囲気の組織になる
コーチングをご提案しています。
次世代の組織とは
終身雇用を前提としたピラミッド組織が崩壊し
企業の組織改革は急務
ピラミッド組織の長所は、上位階層の者が下位階層の者より多くの情報、強大な権限により服従させることにありました。
当然人間性が問われますが、終身雇用を前提とした人間関係の構築によりバランスを取っていました。
しかし、最近は社員の年齢構成の崩壊、時代の変化の加速化、成果主義導入により、 合理性のみ追求させられ、管理職は人間的に振舞うことが許されなくなりました。 求められるのは、処理速度が速く自己完結型のマネジメントであり、互いに競い合う人間関係の中で、精神的、肉体的疲労は蓄積しています。

一般社員も、安定した収入と引き換えに理不尽な上司の指示に耐え、時間をかけて仕事を覚えていましたが、
最近は現場作業の外注化やリモート作業が増え、自分が担当する業務以外の全体像を俯瞰して捉える機会が減り、仕事の勘が育たない弊害が懸念されます。
どこまでの情報が必要か?どこまで自分で頑張り、どこまでを周囲にサポートを依頼していいのか?
「自分の仕事の範囲」について本人が自覚しなくなり、個々人の成長の格差が大きくなります。
社員の先走りを防ぐために小出しの情報提供をしていては、社員のモチベーションが上がるわけもなく、指示待ちになってしまうのは当たり前です。
職場環境を改善するための対策として、残業規制、パワハラ防止法施工等様々な規制が出来ていますが、
本質的な改善を考えていかないと、ますます活気が無くなります。
この流れは企業にとっては大問題です。
これからは「企業の組織改革」が急務です。 これまで管理職の個人の能力に依存していた組織運営から、実質的に管理職を排し人の自立性と流動性を考慮して個々のポテンシャルを最大限に引き出す よう、根本から見直す必要があるということです。
これまでは、何を行うにも経営幹部の承認を必要とする、いわゆるトップダウンの組織運営が主流の時代でしたが、これからは「個人と組織が一体化し、共に成長する時代」です。
もはや、会社は利益のみを追うのではなく、そこに働く個人の生き甲斐や成長と共に、組織の存在理由を考える時代になりました。
また、今は世の中の変化が速いため、過去の成功体験や情報を集めて幹部が検討した事業戦略や将来ビジョンがほとんど通用しません。

日々現場で起こる日常の変化に敏感に対応し、その結果として進むべき方向が見えてくるような動きが求められています。
そのためには、現場の社員の判断ですべて即断できる、「それぞれの細胞が頭脳を持ったアメーバ」のような柔軟な組織が必要です。
自立した個人が、上から指示されるのではなく、自ら自由に活動する。その環境を提供し、ストレスなく動けるようサポートするものが組織です。
この価値観がこれから間違いなく主流になっていきます。
組織の問題をどう解決するか


本当に重要なことができない


その場しのぎの解決策では根本的解決にならない
問題が起きると、今までは「直接的な原因を究明し対策を講じる」作業で対応して来ました。
しかし、この方法は問題への直接的な再発防止策ばかりが増えてプロセス全体が膨らんでくるだけで、根底の問題が解決しない懸念があります。
特に様々な要素が複雑に関係し予測の難しい状況では、このような過去の延長線上の対処方法では対応出来なくなります。
全く新しい発想の解決策を生み出すには、「やり方」でなく「あり方」が重要になってきます。
「現場で行動しながら考えていく勘」のようなものを身に付ける必要があるのです。
理想の組織を作るために
社員が自由に動ける組織が理想
理想の組織を一言で表すと、「社員が自分でやろうと思ったことを自由に行える環境」です。上司や同僚などからの圧力がなく、やる気を削がれない職場が前提となります。
各自が自由に自分の意思で動くことで、様々な問題が少しずつ解決していきます。
トップダウンで短期的に目標を絞り込んで成果を上げることに比べた場合、一見無駄で遠回りのように見えますが、
やりたいことに挑戦し失敗できる環境を作ることは、その経験から足元を固め、優秀な人材を育て創造的な仕事をしていくために必要な条件です。

2018年に英治出版より出版された「ティール組織」では、成果主義の組織の弊害を解決する全く新しい概念の組織運営を紹介しています。
その進化型組織(=ティール組織)は、管理職が存在せず、全員が互いを信頼して社長と同等の決済権を持ち、全員で協力し合う理想の組織です。
確かにティール組織の組織内の環境は非常に恵まれていて、社員がいつの間にか120%の力を発揮していけるようになります。
私が目指していた理想の環境は、まさしくティール組織です。
但し、既存のピラミッド組織からティール組織への変容は非常に難しく、「CEOがティール組織を理解し、素晴らしいと思っていること」、
「取締役会はこのパラダイムを理解し、指示していること」の2つが必須の条件となっています。
この2つの条件を満たさずにティール組織に組織改革しようとしても、失敗するか、できたとしても長続きしないようです。
その場合は、従来のピラミッド組織のままで、ティール組織の良い環境を手本とし、負担の少ない組織改革を行えばいいのです。
鍵となるのが「フロー組織」
社員がやる気に満ち溢れワクワクしながら自発的に行動する、このときの精神状態を「フロー状態」と呼びます。
この状態を維持できると、組織全体が活性化し、組織で起こる様々な問題をチームワークを持って解決することができます。
個々がフロー状態になり組織が活性化する組織を「フロー組織」と呼びます。
このフロー組織を実現することが、今後の組織改革における大きな鍵になると私は考えています。
実現させるには次の3つの環境を整えます。
①社員のやる気を出させる
②社員のやる気を削がない
③社員1人ひとりと組織の方向性を合わせる
ティール組織の事例紹介
目標とする次世代の組織として、ティール組織の事例を紹介します。
オランダで地域密着型の在宅ケアサービスを提供する組織のビュートゾルフです。
(以下「ティール組織」英治出版 P103~より)
ビュートゾルフ設立までの背景
オランダでは19世紀以降どの地域にも、病人や高齢者に在宅ケアサービスを提供する地元の看護師がいる。
1990年代に、健康保険制度に「自営業である看護師を組織化したらどうだろう?」というアイデアが組み込まれた。
大勢いる看護師の数とスキルを活かすという点で、理にかなった仕組みだ。
1人の看護師が休暇を取ろうと思えば、別の看護師が仕事を引き継げる。
誰かに仕事が偏った場合には、組織が仕事の負荷を調整できる。
また、スキルの面からも互いに補完し合える。
規模の拡大
看護師を束ねる組織は、合併によって規模を大きくしていった。
仕事は専業化し、新規顧客の開発担当者が、看護師のケアサービスのやり方に口を出すようになった。
プランナーが採用され、日々のスケジュールを看護師に提供して、患者から患者への移動を最適化するようになった。
コールセンターの従業員が患者の電話を受け始めた。
地域マネジャーとディレクターが上司として、現場の看護師を管理するようになった。
正確なスケジュール管理を目指し、効率を上げるために、あらゆる種類の作業に標準時間が設定された。
様々な医療処置(「商品」と呼ばれるようになっていた)は、求められる専門知識に応じて階層化された。
経験豊富で報酬の高い看護師ほど難しい商品だけを扱い、報酬の低い看護師は残りの仕事を一手に引き受ける。
効率の工場を監視し続けるため、すべての患者の自宅玄関ドアにはバーコードの付いたステッカーが貼られ、
看護師は「商品」を提供し、訪問が終わるたびにバーコードをスキャンしなければならなかった。
医療の質とモチベーションの低下
規模とスキルの両面で効率を求めた結果、こうした変化は理にかなっている。
ところが、これは患者と看護師を同じくらい苦しめるプログラムであることが明らかになった。
患者は、かつて存在していた看護師との個人的な信頼関係を失ってしまった。
毎日、新しい見知らぬ看護師が訪れ、患者は自分の病歴を何度も話すために精力を傾けなければならない。
人間的なつながりがなくなると、医療の質も低下する。
規模が大きくなりすぎて、うまく運営できなくなっていた。
本部から看護師に、患者さんへの商品販売を求めてきたとき、
自分たちの専門知識と誠意が汚されたと感じて、看護師は深く傷ついた。
これがきっかけとなり、看護師たちは経営者に対する忠誠心が変わってしまった。
必要な管理職の階層も増え、どの階層のマネジャーも誠実に自らの任務をこなそうとした。
直属の部下からの報告内容を管理し、予算との乖離に目を光らせ、経営資源を使いたいとの要請を二重に点検した。
仕事のやり方を変更する場合には、関連する管理職の判断を仰いで万全の準備をしてから承認する。
このプロセスの中で、看護師たちのやる気と前向きな姿勢は抑えつけられる。
地域看護に革命をもたらしたビュートゾルフ
ビュートゾルフは、それまでとは全く異なるパラダイムを導入し、ケアのあり方と組織の構造を根本から変えてしまった。
地域看護に革命をもたらしたビュートゾルフはヨス・デ・ブロックによって2006年に設立された。
ヨスは看護師として10年の経験を積み、社内からの改革は無理だと悟ったとき、自分の組織を始めることにした。
ヨスが設立したビュートゾルフは目覚ましい成功を収め、看護師の数は7年間で10名から7000名へと成長し、圧倒的に高水準のケアを達成している。
自主経営チーム
看護師は10~12名のチームに分かれ、各チームは細かく割り当てられた担当地域に住む、およそ50名の患者を受け持つ。
1つのチームは、あらゆる仕事を担当する。
看護師たちは、ケアサービスを提供するだけでなく、どの患者を何人付け持つかも自分たちで決める。
新しい患者の受け入れ、ケアプランの作成、休暇や休日のスケジューリング、業務管理も、さらにはどこにオフィスを借りるのか、
そこをどう飾るのかもチームで決める。
現地のコミュニティーにどう溶け込んでいくのか、どの医師や薬局と協力していくのか、そして現地の病院とはどう協力するのがベストかを判断する。
ミーティングをいつ開くのか、看護師間の仕事の割り振りをどうするのかを考え、個人やチームの研修計画も立てる。
自分たちが対応できないほど患者が増えた場合には、チームの規模を拡大するのか、2つに分けるのか、さらに自分たち自身の業績も分析して、
生産性が落ちたときにはどう修正するのかも決める。
チーム内にリーダーはいない。重要な判断は手段で決める。
その結果、ケアがバラバラに行われることはなくなった。
できる限り、1人の患者に対して、常に1人か2人の看護師が担当につけるように計画が立てられる。
看護師は、ときにコーヒーでも飲みながら患者と向き合い、患者自身のことや病状や嗜好を理解するためにじっくりと時間をかける。
こうして患者と看護師の間には深い信頼関係が築かれる。
ビュートゾルフは「患者がどうしたいか?」を真剣に考えている。
目的は、患者が出来るだけ自分の面倒を自分で見られるようにすることだ。
驚くべき成果
ビュートゾルフが1顧客あたりに必要とした会議の時間はほかの介護組織よりも40%近く少ない。
ビュートゾルフの看護師が時間をかけ患者や彼らの家族、近所の人たちとコーヒーを飲み、雑談をしている間に、
ほかの介護組織は「商品」提供の時間を分刻みで記録している。
他の組織の患者に比べると、ビュートゾルフの患者たちが介護を受ける時間はわずか半分でありながら、病気から早く治り、しっかりと自立するのだ。
緊急病院への入院はほかの組織の2/3で、入院しなければならないときにも、平均入院期間は短い。
ビュートゾルフのチームにいる看護師たちからは、「私は自分の仕事を取り戻しました」という言葉が異口同音に発せられる。
従来の介護組織に比べ、ビュートゾルフでは病気を理由とする欠勤率が60%低く、離職率は33%低い。
他の介護組織から転職してくる看護師は後を絶たず、2006年にわずか10名の看護師で開業した組織が、
2013年にはオランダの地域看護組織で働く全看護師の2/3を占めるに至った。
上司の不在
ビュートゾルフのチームには上司(管理職)がいない。
10~12名のチーム全員が看護師で、チームごとに発生する管理業務全般に取り組んでいる。
チームの方針と優先順位を決め、問題を分析し、計画を立て、メンバーの実績を評価し、時に厳しい判断を下す、
といった仕事を1人のリーダーに負わせるのではなく、チームメンバーの間で分担している。
チームとは実質的に、メンバーで自主的に構成された自治組織なのだ。
ビュートゾルフは、非常に効率的なやり方で自主経営が実践で機能するために必要な具体的な支援(教育訓練、指導、ツール)を看護師のチームに提供している。
新しく加入するメンバーは全員、「相互作用による問題解決法」と呼ばれる研修を受講して、健全で効率的な集団での意思決定をするための首尾一貫したスキルとテクニックを学ぶ。
この研修を通じて、看護師たちは人と人との協力に関する基礎の基礎についての知識を深めることになる。(皮肉なことに、この部分は多くの組織で無視されている)。
他人の意見に耳を傾けたり、相手に意思を伝えたりするためのさまざまな方法に加え、ミーティングの進め方やメンバー間でのコーチングなど、実践的なスキルを学ぶ。
上司と部下といったピラミッド状の序列はない。
ただしこのことはチーム内の看護師全員が「平等」であることを意味しない。
専門知識、興味や関心、あるいは意欲によって、得意分野は異なる。部下を支配する上司という上下かんけいが存在しない代わりに、
自然発生的な階層、つまり評判や影響力、スキルに基づく流動的な階層(従来の「支配者のための階層」に対して「自己実現のための階層制」)が発生する余地が生まれるというわけだ。
必要最小限のスタッフ機能
特に大組織では、ここ数十年にわたって、人事、戦略策定、法務、財務、社内の意思疎通、リスク管理、内部監査、IR、
研修、広報、環境管理、エンジニアリング・サービス、品質管理、知識管理など、スタッフ機能が増殖してきた。
スタッフ機能を担う人々は(多くは善意に基づくものだが)、ルールや手続きを改正したり、専門技術を積み上げたり、解決すべき問題を探したりといった
「付加価値を出す」方法を見つけることで、自分の存在意義を証明しようとする傾向がある。
そのうち、現場から離れたところに権限と意思決定権を集中させるようになる。
すると、現場の看護師は権限を奪われたと感じる。
決められたルールは、理論的に正しいかもしれないが、自分たちが現場で直面する具体的な状況の複雑さには対応できないからだ。
これに対し、ティール組織は、スタッフ機能を極力小さく抑えている。往々にして、スタッフ機能を大きくして実現できる規模とスキルによる利益よりも、
モチベーションの低下による不利益の方が大きいことをよく承知しているからだ。
その結果、ティール組織のスタッフ機能は実に少なく、しかも意思決定権がない。スタッフ機能は指針を提供するが、ルールや決定事項を押しつけることはできない。
真にサポート機能であり、チームから要請があった場合に限って行動を起こす。
例えばビュートゾルフでは、7000人の看護師に対し、本社はわずか30人のスタッフが現場のサポート業務を担っている。
しかも、一般的な看護会社のスタッフ機能(採用、計画立案、コールセンターなど)を果たしている者などだれもいない。
スタッフ機能のほとんどがそのままチームに委譲されている。必要なら自分たちで採用活動を行う。
スタッフ機能から課されるルールや手続きがないため、社内には解放感と責任感が満ちている。