私が考える理想の環境
私が考える一番良い環境は、やはり代表的なティール組織のように、外界からある程度守られた環境の中で自由に試行錯誤できる組織です。
幸い私が就いた最初の職場が、常に新製品や特注システムを扱う部署だったためにティール組織に近い価値観の人達との日常を体感し、自分の体の一部となりました。
その後外資系に転職し、アメリカ本社に1年在籍し、また違った価値観を学ぶことで自分の考えが固まってきました。当時の外資系企業の日本支社やそこにいる多くの日本人からは残念ながら学ぶことはありませんでした。いや、反面教師として非常に重要なことを学びました。それは、保守的な価値観を持ったまま、外資の良さを使いこなせず結果的に悪い所取りしている人達が多かったことです。
それは日系企業では当たり前かもしれませんが、外資系に転職しても潜在的に持ち続けている権威主義(上司部下や先輩後輩の関係)から来る立ち振る舞いが、私にとっては異様に映りました。そしてそれを日常的に観て、純粋だった新入社員達が1~2年で都合良く染まっていく様を見て嫌気がさしました。
具体的に言うと、「肩書の上の人や力を持った人の言うことに無条件に従う」、「目下と思う人の言うことはまともに聞かない、関心を示さない」ということです。
私がアメリカ本社にいた時に感じた一番新鮮な出来事は、初対面でも、片言の英語でも、話の内容に興味があったり筋が通っていれば、一定の対応をしてくれることです。多くの日本人はこうはいきませんでした。まず知り合いの紹介でないと会えないし、話を聞いても反応しません。
その時に感じたことですが、会社組織の多くが面白くない大きな理由は「不誠実」より、この傲慢さからくる「無関心」ではないか、ということです。
利益目標に期限をつけると、それが最優先されてしまう
社長と社員、管理職と一般社員の関係で、気軽に挨拶できる雰囲気ですか?
もし挨拶できない雰囲気なら何がそうさせているのでしょうか?
1人の人間として付き合えてないのでは?
「儲かっている会社が正しくて、倒産したある会社の価値観は間違っていた」と言い切った知人がいました。若くして友人たちと起業し企業オーナーとなった人ですが、彼は以前と比べて成長したのかもしれませんが、何か大切なものを忘れてしまったと思いました。
期限を決めて利益目標を挙げることを間違っているとは言いませんが、その結果本当に大切なことの優先順位を常に下げていることに目を背けるのをやめましょう。
勇気を持って、本音で社員/部下と付き合っていきましょう。
社員の方が優秀だとしても恥ずかしいことはない。
隠して、取り繕って対応する方が、水面下の不信感が蓄積していきます。
本音で話せば、良くも悪くも、自分自身の価値観、ステージに合った社員がついてきます。
まずはそれがスタートラインになります。
自分の価値観を信じて、無理しないでやりたいことを進めて行けばいい。
片腕に苦手な所を任せてもいいが、任せっきりにしないで本質の部分は自分の考えで進めていく。
最初はワンマンで進めて中途半端に部下の意見に従わない。
妥協しない。ダメな理由を丁寧に説明する。
価値観が浸透し行動規範が可視化共有されるまではワンマンで進めていく。
但し、部下からの疑問、反論にはとことん誠実に対応する。話し合う。
こんなときはどうする?と疑問が湧いてくる。
それをそのままうやむやにしたいり、そのときそのときの思い付きで決めない。
ぶれずに進めるということは途中で修正しないということではない。
1人ひとり個別の価値観があり、理想とする会社のイメージがあります。
会社はオーナーである社長の考え、価値観を自問し、ブレずに自分の信じる環境を作ればいい。
その価値観に合った社員が自然に集まってきます。
「そんなこと言わなくてもわかるだろう。大体わかるだろう」、「そんな当たり前のことをいちいち説明しないといけないの」と面倒臭がらずに、相手に伝え、相手の言葉でもう一度説明してもらう。
形のないもの、相手の気持ちに関心を示し、話し合うことに慣れていかないといけないのです。
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